| 2003年4月11日 労働運動への公開状われわれは、われわれの組織名を偽って使っている危険な偽造文書が出回っていることを知らせたい。差出人がスパルタシスト・日本グループ（SGJ）のメンバーとなっている郵便物が出回っている。こうした偽りの挑発的な行為の責任がいったい誰にあるのか、われわれには分からない。 スパルタシスト・日本グループは東京におけるマルクス主義の組織であり、国際共産主義者同盟の支部である。われわれは新聞を発行するとともに、イラク戦争、労働者の軍隊化に向けた有事立法法案、在日朝鮮人の市民的権利の否定、死刑、日本帝国主義の歴史的犯罪等に抗議する会議やデモに参加している。 三月末、われわれは関東地方のある労働組合の職員たちから、差出人住所が個人の住所で、われわれの組織のメンバーから出されたことになっている悪意のあるメッセージを受け取ったことを知らされた。その手紙には「反革命粉砕」という短い言葉が書かれており、その労働組合が「反革命的」であり粉砕すべきであるという内容であった。封筒の消印は東京の恵比寿ガーデンとなっていた。この挑発行為は労働運動内の組織どうしの対立を煽り、暴力を誘発させ、政府の介入を誘おうと意図しているように思われる。われわれは、われわれの同志や組織に対する、そして労働組合に対するこうした脅威を知らせてくれた労働組合員に感謝する。 われわれの組織の綱領や活動をよく知っている人々は、われわれがこのような手紙を出しはしないことは容易に分かるだろう。われわれは、マルクス主義の組織として、その政治的見解や加盟がどのようなものであれ、あらゆる労働組合や左翼諸組織を、資本家や資本家の国家によるどんな攻撃や脅威からも防衛する。 ここ一年のあいだに、われわれの同志は、その住所が差出人住所となっている好ましくない郵便物を受け取ったという連絡を何度か受けた。そうした郵便物はあまり害がない印刷物であった。しかし労働組合を脅迫するのにわれわれの同志の名を騙るのは、不穏な新しい展開である。このような郵便物を受け取った場合には、すぐにわれわれに知らせて下さい。 スパルタシスト・日本グループには労働運動内の暴力に反対する長い歴史がある。われわれは一九八六年の創立文書に次のように書いた。「われわれは、労働者民主主義を擁護し、日本における『極左』がお互いの組織に与えている犯罪的暴力行為、殺人行為を断固として拒否する。このような行為は、最も恥ずべきスターリン主義の方法と全く同一であり、労働者の運動の中から一掃されなければならない。」われわれの組織に濡れ衣を着せようとするこうしたもくろみの背後に誰がいるか分からない。しかし、それには「公安」警察の汚い策略の気配が強く感じられる。「公安」警察は、市民団体や平和団体から死刑反対の運動家や部落民代表者に至るまで、現状に不満を表明するあらゆる組織を長年に亘って探ってきた歴史を持っている。 このでっち上げが、政府によるものか、極右組織によるものか、または左翼グループによるものか、われわれには分からない。もし「左翼」が背後にいるとすれば、これは共産主義の旗を偽って掲げる潮流の堕落した政治的伝統を物語る苦々しい証拠である。こうした挑発行為はただ日本の資本主義国家の利益に奉仕するものである。労働運動内における暴力行為は、ある組織に警察機関が介入する機会を招くものにほかならない。 われわれへのこの挑発行為の背景には、日本政府が米国主導の対イラク戦争に「全面支持」を寄せるとともに、北朝鮮に対する脅威が高まりつつあるという状況がある。日本政府が軍備増強を進め、ますます好戦的態度を募らせているのを物語るのが、国内におけるいわゆる「反テロリスト」抑圧である。この「反テロリスト」抑圧はまず手始めに移民労働者を標的にして国外追放をはかり、在日朝鮮人を標的にして監視や嫌がらせをもくろんでいる。そして抑圧の矛先は、こうした弱い立場の人々から、あらゆる政治活動家や労働者の闘士たちへと向けられるだろう。いかなるストライキ参加者も、いかなる反戦学生も、そして人種抑圧や不正に反対するいかなる者も、あらゆる抑圧手段に反対することに利害を持っている。 こうした挑発行為は、その直接の動機が何であれ、標的にされたもののあいだに恐怖や混乱や懐疑をもたらすことを意図している。このでっち上げによってわれわれの政治目的がおびやかされることはない。この偽りを暴露するために、われわれはあらゆる必要な手段を取るだろう。もしあなたがたの組織が明らかにSGJに反対するキャンペーンのさらなる証拠と思われる疑わしい郵便物を受け取ったならば、スパルタシスト・日本グループまでどのような情報でもご連絡下さい。
国際共産主義者同盟
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