スパルタシスト・日本グループとスパルタシスト同盟/米国の共同声明
米国/日本の反革命同盟を打倒せよ! 中国と北朝鮮の歪曲された労働者国家を防衛せよ!
二月十九日、日本と米国は台湾海峡問題を「共通の戦略目標」とする重大な共同声明を発表した。これは、日米政府が両国間の安全保障条約を強化するため、また東アジア地域への弾道迎撃ミサイル(ABM)システムの配備を含めて、その軍事力の再編を計るために別に打ち出した不気味な動きである。こうした方策は、中国と北朝鮮の歪曲された労働者国家に対する危険な挑発行為にほかならない。
国際共産主義者同盟(第四インターナショナリスト)の支部であるスパルタシスト同盟/米国とスパルタシスト・日本グループは、中国と北朝鮮を、他の残存する歪曲された労働者国家であるベトナムとキューバと同様に、帝国主義の攻撃と内部の資本主義反革命から無条件に軍事的に防衛する立場に立つ。これには、中国と北朝鮮が帝国主義による核の脅しに対し必要な抑止力を保持する一部として、核兵器を保有し実験する権利も含まれる。中国は犯罪的にも、北朝鮮の武装解除をもくろむ六カ国協議の場に北朝鮮を引き戻そうとしている。帝国主義との「平和共存」が可能であるとする中国政府のスターリニストによる幻想は、ただ中国自身の防衛を掘り崩すだけである。
米国と日本は、東アジアの労働者階級を搾取しようとするその衝動へのいかなる反対をも躊躇なく粉砕するだろう。朝鮮と台湾は、二十世紀への転換期から第二次大戦の終結まで日本よって植民地化された。一九三七年に、日本帝国主義は南京大虐殺を実行し、戦時中に女性を慰安婦として奴隷化した。一九四五年に、米国は列強のなかで唯一原子爆弾を使用し、広島と長崎の何十万もの市民を虐殺した。そしてこの原爆投下は、ソビエトの堕落した労働者国家に対する警告として利用されたのである。一九五〇年代初めの朝鮮戦争では、米帝国主義は三百万以上の朝鮮人を死に至らしめた。中国の英雄的な犠牲行為により、北朝鮮の歪曲された労働者国家は防衛された。この犠牲的行為は、マッカーサー将軍率いる「国連」軍が朝鮮半島全体を占領し米国の植民地となるのを阻止したのである。一九七五年に終結したベトナム戦争では、米帝国主義は三百万以上のベトナム人を虐殺した。米国はベトナムで社会革命を粉砕しようと試みたが敗北した。われわれは、プロレタリアートと抑圧された人々を貪欲な日米両帝国主義強国の打倒へと導くため、革命的労働者党とレーニン主義/トロツキー主義のインターナショナルを建設するために闘っている。第四インターナショナルを再度鍛え打ち固めよ!
日本は一八九四年から九五年の日清戦争の後に台湾を植民地化し、第二次大戦時にはこの台湾を足がかりとして、中国南部やフィリピンや東南アジアへと進攻した。日本の敗北の後、台湾は中国の民族主義者に与えられた。そして中国の内戦で人民解放軍が勝利を収めると、反革命の国民政府軍と中国ブルジョアジーは台湾へと逃亡した。一九四九年の中国革命によって中国の歪曲された労働者国家が成立したが、その時以来台湾は、米帝国主義による反革命的企図、軍事的脅し、傀儡の中国ブルジョアジーを通じた中国への内政干渉の前哨基地となってきた。台湾は古代からずっと中国の一部である。われわれトロツキストは、台湾をめぐる帝国主義とのいかなる軍事的対立に際しても、中国の側に立つ。
資本主義財産諸関係の打倒は、中国を帝国主義への従属から解放し、集産化された経済の建設に結果した。寄生的で民族主義のスターリニスト官僚階層の支配により初めから歪曲されてはいたが、この勝利は労働者、女性、農民にとって巨大な社会的進歩を意味したのである。それは例えば、職業、住居、教育、育児、社会保障、医療に関する権利に現われた。中国のスターリニスト官僚は資本主義の経済的浸透へと自国経済を開放している。われわれは、それによって中国の歪曲された労働者国家に突き出された危険を決して過小視などはしない。しかしながら、中国経済は依然として集産化された国営産業が中核を占めている。われわれは「一国家二制度」で具体化されたスターリニストによる台湾との再統一案に反対である。それに対してわれわれは、中国の革命的再統一へ向けた綱領を主張する。この革命的再統一とは、中国本土でのスターリニスト官僚に対する労働者政治革命を必要とするものであり、台湾でのブルジョアジーを打倒し収奪するためまた香港資本家の収奪のために、台湾におけるプロレタリア社会主義革命を必要とするものである。
日米間の反共軍事同盟は、冷戦時代には、主に旧ソ連邦に向けられていた。ソ連に対する中国の犯罪的な米帝国主義との同盟は、一九七〇年代初期に毛沢東の下で始まり、ケ小平の下でも継続した。そしてこの同盟は、結果的に一九九一年から九二年におけるソ連邦の反革命的破壊に貢献したのである。ソ連邦と東欧各国に吹き荒れた資本主義反革命は、今日の血塗られたイラク占領に見られるように、国外での米帝国主義による制限のない軍事侵略という「一極的」世界をつくり出した。このことは、帝国主義の中心諸国おける労働者、女性、マイノリティ、移民に対するより残酷な攻撃によって、また全ての植民地や半植民地諸国での一層大きな略奪によって強化されてきたのである。ソ連邦の場合と同様に、もし中国の歪曲された労働者国家が破壊されるようなことになれば、帝国主義者が略奪品を求めて奪い合うなかで、人々のあいだに広範な貧困が引き起こされるであろう。中国の運命と世界じゅうの労働者の運命は、経済的にも政治的にも、分かちがたく結び付いている。
六十年前に、日本と米国は激しい帝国主義戦争を繰り広げた。しかし現在の重大事に際し、両国の帝国主義間対立は、その反中国/北朝鮮の同盟に従属している。過去十年間に亘って、米国防総省は環太平洋地域でその軍事展開を強化してきた。そしてアフガニスタンと中央アジアへの進攻にともない、中国周辺における軍事圧力を著しく強化しているのである。米国主導の「テロとの戦い」に同調するなかで、中国政府は反革命的衝動に駆られた米帝国主義をただ勇気づかせるだけである。
日本帝国主義は、「敗戦国」症候群とともに第二次大戦から現われ出たが、現在そうした症候群の制約を捨て去り、その軍事力を増強しようと決意している。支配階級は、これを達成するために、国内では経済の緊縮政策を課し、民族主義の毒をまき散らし、資本主義の法と秩序の維持に不可欠な抑圧機構を強化する必要がある。米国では「テロとの戦い」という口実の下で、支配者は弾圧の武器を一層強化し、また組合潰しさらには労働者階級や被抑圧者の困窮化を一層推し進めている。日米両帝国主義に対する闘争を導く革命的労働者党は、国際主義の綱領と展望を絶対に持たなければならない。太平洋の両側で日米の反革命同盟を労働者革命を通じて粉砕せよ!
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