Workers Vanguard への読者からの手紙
台湾について
2017年10月25日
こんにちは。
私はスパルタシスト同盟/国際共産主義者同盟(
ICL)の記事をいろいろと読んできた一読者です。そうした記事に示された見識を楽しく読んできましたが、台湾の歴史的状況に関して疑わしい主張をするいくつかの記事があるのに気づきました。
例えば、台湾は清朝の時代に初めて中国の一部になったにもかかわらず、「台湾は古代から中国の一部であった」との主張があります。実際、台湾はこれまで何度となく植民地統治の歴史がありました。清朝も台湾を統治した大半の時代に、この島を「海の彼方の泥団子」と見なしていました。
台湾はまた共産主義に関わりをもついくらかの興味深い歴史があります(
けれど、日本及び国民党統治の時代に弾圧されたためごく短い期間ではありましたが)。台湾共産党は日本統治下の1928年に創立されました。このことは掘り下げて調べてみる価値がある興味深い歴史だと思います。
それでは
一読者より
『WorkersVanguard(
WV)』からの返答
スパルタシスト・日本グループ(
SGJ)とスパルタシスト同盟/米国は2005年に共同声明を出しました。そのなかで我々は、台湾が「相互安全保障上の懸案」だと宣言した帝国主義者による不穏な動きを非難して、次のように記しました。「台湾は古代からずっと中国の一部である。われわれトロツキストは、台湾をめぐる帝国主義とのいかなる軍事的対立に際しても、中国の側に立つ」(
「米国/日本の反革命同盟を打倒せよ!中国と北朝鮮の歪曲された労働者国家を防衛せよ!」、『WV』844号、2005年3月18日)。それ以来、この表現は『WV』のなかで何度か繰り返されました。
我々の読者が正しく指摘している通り、台湾は1683年に清朝の中国人侵略者によって制圧されました。つまり、それはとても古代とは言えません。その当時、台湾の中国人の数は先住民のオーストロネシア人の数とおおよそ同数でした。それから何年にも渡り、中国人の移住が続きました。そして日本が中国との戦争で台湾を奪取した1895年までには、この島は民族的にも言語的にも中国人が圧倒的多数を占めるようになっていました。主要な帝国主義列強へとのし上がる途上で、日本の資本主義支配者たちは3万人を遙かに超える台湾の中国人を殺りくし、オーストロネシア人に対する大量虐殺を実行しました。過酷な抑圧に晒された台湾の原住民たちは現在、台湾人口の2%を占めるに過ぎなくなりました。
日本が1945年に第二次大戦に敗北した後で、台湾は血塗られた中国国民党政権によって支配されました。そして米国の操り人形である蒋介石に率いられた国民党は、台湾を占領区のように扱いました。1947年2月の台湾全土に広がった反乱(
二・二八事件)を鎮圧するために、蒋介石は中国本土から軍隊を派遣し、2万8千人もの人々を虐殺しました。中国の内戦で共産党が率いる人民解放軍が進軍するにつれて、蒋介石の軍隊は大挙して台湾に逃れました。そしてその後40年間に渡り戒厳令を敷いたのです。1949年の中国革命以降ずっと、資本主義台湾は、中華人民共和国に対する帝国主義による軍事的な脅しのための、また反革命的企てのための前哨基地となってきました。
中国の歪曲された労働者国家にたいする我々の無条件の軍事的防衛の重要な一部として、我々は中国の革命的再統一を呼びかけます。それは、労働者民主主義とプロレタリア国際主義に基づく政府の下で、中国全土に及ぶ集産化された経済を創出することを意味します。それには、中国本土でのスターリニスト官僚を一掃するプロレタリア政治革命と、台湾における資本主義国家を粉砕しブルジョア階級を収奪する社会主義革命が必要なのです。
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